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競馬の魅力

『ザ・ロイヤルファミリー』という本を読んだ。

この小説は簡単に言ってしまうと競馬の馬主とその家族、関係者、そして馬の物語である。

 

今回話したいのは、本の内容ではなく、競馬というものの魅力である。

 

最近、僕は競馬というものに熱中している。

22歳にして競馬に熱中し、プロ野球を愛しているなど趣味が完全に40代から50代の男性である。

そんな体裁などどうでもいいほど、競馬に魅力を感じているのだ。

 

もちろん馬券は買うが、なかなか当たらない。一般的に馬券の回収率は75%と言われているため、儲かることを期待してはいけないのだが、大波乱が起き、高配当がついたレースなどを見ると、ついつい夢を見てしまう。

 

馬券の予想やレースそのものは当然、競馬の魅力の1つであり、一筋縄ではいかないところが非常に面白い。

 

絶対的一番人気の馬が勝つと思いきや、二桁人気の馬が勝つこともあるし、人気になった馬が全く馬券に絡まないレースも少なくない。

 

しかし、僕が競馬に一番魅力を感じているところは「血統」である。

 

競馬はブラッドスポーツである。血の繋がりがとにかく重視されるのだ。

もちろん強い馬の子供が必ず強いとは限らないし、逆に大した実績のない馬の子供がやたらと走ることもある。

そういう上手くいかないところが面白いと思っていた。

 

しかし、競馬というものは僕が思っていた以上に多くのものを背負っていると小説を読んで思った。

 

以下、『ザ・ロイヤルファミリー』で印象的だった一場面である。

 

競馬における一番の魅力は「継承」です。馬の血の、ジョッキーの思いの、そして馬主の夢の継承に他なりません。
いえ、それは馬主だけに限らないのでしょう。調教師も、牧場スタッフも、ファンも、それこそ私のような末端の人間に至るまで。競馬にかかわるすべての人たちが、今この時代にある「希望」を次の時代へと継承する、その役目を担っているだけだと思うのです。

 

競馬は関係者はもちろんのこと、馬券を買うだけの一般人に至るまで、何か「夢」や「希望」を馬に託してレースの行方を見ている。それが大きいものであれ、小さいものであれ、僕らはそれらを次の時代に継承する役目を担っているというわけだ。

 

もちろん、競馬はギャンブルである。

しかし、ただのギャンブルを超えた「何か」がそこには存在しているように思う。

 

お金を賭けている以上、親に心配されることや、将来家族に怒られるようなこともあるかもしれない。

 

しかし、僕の好きな馬の子供を僕自身の子供が好きになってくれたらどんなに面白いだろうか。

 

そんな些細な夢を見させてくれる小説だった。

 

ザ・ロイヤルファミリー

ザ・ロイヤルファミリー

  • 作者:早見 和真
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/10/30
  • メディア: 単行本